死者を生きているかのような姿に再生する技術者のことを、エンバーマーと言います。生物学、化学、法理学、公衆衛生学などの知識を必要とする専門職です。
エンバーマーの仕事
遺体の腐敗を遅らせるだけではなく、修復したり感染症の蔓延を防止するために行われるエンバーミング。最初に全身の消毒から始まり、顔を整え、動脈からエンバーミング溶液を注入していきます。さらに内蔵の体液、血液などを吸引し、ここにもエンバーミング溶液を入れて縫合します。エンバーミングにかかる時間は最後のメイクまで含めて3〜4時間程度。日本ではエンバーマーが遺族と直接対話することは少なく、遺族が葬儀社と交わしたエンバーミング依頼書に基づいて、エンバーミング処置を行っていきます。
エンバーミングは、日程を気にすることなく葬儀をゆっくり準備できるというメリットがあり、グリーフケアの面からも注目されています。感染症の心配もありませんから、故人と同じ布団で休むこともできます。長期入院でやせて面影がなくなってしまった方は、頬をふっくらみせたり皮膚に張りをもたせるなどして、元気だった頃の姿を彷彿させるような状態に修復も可能です。
エンバーミングまでの流れ
- ご遺体を(病院や警察署などから)エンバーミング施設に移動
- エンバーミング施設にて施術
- 施術後、自宅や葬儀式場へ搬送
※ご遺体をエンバーミング施設にて一時預かりをし、施術後に自宅や葬儀式場へ搬送することになります。
エンバーミングの手順
- 脱衣・全身監察
遺体を傷つけないように死後硬直をときながら着衣をとり、外傷や出血の確認をします。 - 体腔の殺菌、洗浄
体表に付着している微生物や殺菌に対してスプレー殺菌をします。 - 切開
エンバーミング溶液を注入を開始し、静脈から血液を排出をします。 - 脈管系エンバーミング
エンバーミング溶液を注入を開始し、静脈から血液を排出をします。薬液の浸透と排血を促すために、マッサージを行います。 - 内臓系エンバーミング
胸腔、腹腔に残った血液、体液等をトロッカーと呼ばれる器具で吸引します。循環器さらに、内臓系のエンバーミング溶液を充填します。 - 縫合
切開した部分の縫合をします。 - 洗浄
全身の洗浄をします。 - 仕上げ
ドレッシングテーブルへ移動。全身を乾かし、切開部分や手術痕などは液漏れ防止処置を施します。 - 着付け・化粧
遺族が希望する服を着用し、化粧を施します。顔の皮下組織にゲル化剤を注入して補正することもあります。
あさひ葬祭ではこのようなエンバーミングの相談なども行っておりますので、どうぞお気軽にお問合せくださいませ。